寝た

土曜日は一歩も家から外に出なかった。台所と冷蔵庫と風呂とトイレ以外は部屋から動きもしなかった。
そうして、昨夜の焼肉の残りの肉を焼きながらビールを飲んだりうどんを食べたりジャンクフードに「うわ、手がとまらねえ」と驚愕しつつ貪り食ったりしていた。ほかには某ネットでアニメのネウロの第1話を見て弥子の声の高さに違和感を覚えたり、森見氏の「走れメロス」の山月記に何故かほろりとしそうになったり(精神的に来るものがあったらしい)、ビール瓶を抱きしめて泣きながら眠ったり、久し振りに禁断の部屋に立ち入り、エロDVDの多さに死にたくなったり、しかしもしかしたら掘り出し物があるやも知れぬと買った覚えのほとんどないような作品の鑑賞会をしてみたり、そういえば焼肉の淀んだ空気を換気するために窓を空けてるのでこの喘ぎ声が外に漏れてるのではないかとひとり恥辱に震えてみたり、挙句の果てにはどんなにエロ動画を持ってたって男のナニは一本しかないんだ!という誰だったか忘れたけどの名言を思い出して涙してみたり、不意に訪れる昔の記憶に「もんどり!もんどり!」と叫びながら部屋の中をうろうろと歩き回りたくなったり、外から聞こえる近所のおばさんたちの会話に息を潜めて僕は連休なのに家に閉じこもっちゃいませんよ的な装いをしてみたり、電気グルーヴを聴きながらそういえばわりと最近まで電気グルーヴ電撃ネットワークの区別がつかなかった自分を恥じてみたり、ネットをうろうろしてると頭のネジが飛んでるとしか思えないような文章(褒め言葉です)に出会いああ俺はどこまで行っても中途半端だと自己嫌悪に陥ったり、夜にはビールを持って夜中の公園の滑り台の上で月を見ながら酔っ払おうと誓いつつもそういえば今日はまだ一歩も外に出てないのにそれを崩しちゃ悪いだろうと思い直したりもして、
こんなにも色々なことをしているのに何故か虚しい気持ちが拭えないのはどうしてでしょうか、お月様。
まあ、何処までが事実かは置いておくとして、悲しいことにノンフィクションであるという俺が可哀想だ。
 

良い曲はいつでも良いなあと。